赤ちゃんがNICUを退院する日って、手放しで嬉しいものだと思っていました。
でも私は、嬉しい気持ちと同時に家に帰ることへの不安がありました。
「普通は帰れることに安心して、嬉しく思うんだろうにね」って、今なら笑いながら言えるけど、当時は正直、不安でいっぱいでした。母、夫、小学生組が生活している中に、数日前まで医療処置を受けていた小さな赤ちゃんを24時間見守り続けること。体力のない産後のnecoが、モニターも何もない自宅でお世話できるのか……という不安でした。
あの頃は本当にいっぱいいっぱいだったな、と思います。
この記事は、妊活から出産、赤ちゃんのNICU/GCU入院と続いてきた体験談シリーズの最終回です。入院までの経緯はこちらから。
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入院が長引いた経緯
最初は「数日の入院だと思いますよ」と言われていました。
点滴で血糖が落ち着いてきた頃、「一緒に帰れるかも」とほっとしたのも束の間、点滴を抜いたらまた血糖が下がってしまって退院は延期。というより、治療再開。
末梢ルートから、より濃い点滴ができる管に入れ替えることになりました。生まれたばかりの小さな体に処置をされる間、約1時間待合で待つ時間は、うまく言葉にできないしんどさがありました。
罪悪感と悲しさで、ただただ泣きそうでした。
その後も血糖の管理、ビリルビンが上がって光線療法…と、あっという間に1ヶ月が経っていました。
入院中の生活がしんどかった
毎日搾乳して、面会へ行って、帰ったら家で気を遣って。
産後なのに、ゆっくり過ごせるはずだったのに…ずっと気を張っていました。重たい家の空気。
当時は家の雰囲気がしんどくて、面会から帰るたびに疲れていました。NICUでの面会は毎日できましたが、1日3時間まで・予約制という制限があり、夜間は自宅で過ごすことができました。
搾乳はしているものの、赤ちゃんが泣いたら起きて授乳する、オムツを替える、寝かしつけるという一連の行動がないので5時間くらいはまとまって眠ることができました。
流石にそれだけ寝ると胸がパンパンに張ってきて痛くて目が覚めるんですが、「まとまって眠れた」ことについては、入院してくれていて助かったと思ってしまったくらい、正直ギリギリでした。
赤ちゃんが一緒に退院できていたらまた違う空気だったかもしれませんが…。思い出しても赤ちゃんの世話をしながらあの空気の中では生活できなかったんじゃないかしら。面会に行くために家を空けることが正直息抜きにもなっていた気がします。
でも、面会中も穏やかに過ごせたわけではありませんでした。おっぱいをうまく飲めない赤ちゃんを見ながら、隣のベッドの子が次々と退院していくのを見るのも、じわじわしんどかったです。
夫との仲も雰囲気も悪いまま。なんならこのまま離婚もあり得るんじゃないのかと思うくらいに…。
赤ちゃんの退院の話が全く出ないまま、年越しを一緒にできないかもしれない、という不安もありました。
退院前、看護師さんに聞いて驚いた話
いろいろ複雑な思いを胸に秘めながら、入院も3週間くらい過ぎた頃、血糖が安定してきて点滴の量を減らすことができるようになってきました。
退院1週間くらい前になって、看護師さんから「最近よく泣くようになりましたよ、足もよく動かすし元気です😊」と教えてもらいました。でも面会中は…全然泣かないんです。この人本当に泣いてるの?って思うくらい。抱っこしてずっとそばで見ているからか、天使のようにおとなしかったんです。
「おむつも動きが激しくて脱げちゃうんです。」って、確かに面会のたびにタオルがちょっと汚れてる、「お風呂の時にシーツも交換しますね。」と言われることが増えました。
シーツや服が汚れるたびに交換してくれて、お着替えした時の可愛い写真まで撮ってくれていました。その写真を見て正直、「本当に同じ子?」ってくらい目が開いてたり、泣いてる姿だったり。私たち親には見せてくれない一面でした。
本当に医療従事者の方々には感謝でいっぱいでした。
退院前、服を買いに行った話
3Sサイズだったオムツも、SSやSでよくなるくらい成長して、体重もプラス1キロ✨ 退院用に準備していた服が大きすぎて、慌てて60サイズを買いに行きました。
さすがNICUで働いている看護師さん。小さい赤ちゃんの服についてよく聞かれるからか、ネット通販だけでなく、どこの店舗に小さい服が売っているかまで知っていました。ありがたいその情報を聞き、すぐに買い物に。
50・55・60みたいな小さいサイズの服がたくさんあって、それもシンプルなロンパースじゃなく、可愛いドレスやタキシード、フルーツとか着るだけで何かのキャラクターとして活躍できるんじゃないかと思うくらい可愛いのが複数!金額も驚くような金額ではなくて…。
その時、自分の子だけじゃなく小さい子ってたくさんいるんだな。って少し安心というかほっとした自分がいました。
祝、退院。ようこそ我が家へ
退院は素直に嬉しかったです。でも同時に、これから始まる生活への不安もありました。
上の子たちは生後1ヶ月で1〜2kgずつ増える、むしろ大きめの赤ちゃんでした。だから今回の子は、1kg増えてもまだ平均的な新生児と同じサイズ。抱っこしても重さをあまり感じなくて、連れて帰るのがかなり不安でした。
産後の自分を心配しながら、赤ちゃんのお世話と上の子たちとの生活。普通なら退院=安心のはずなのに、複雑な気持ちを抱えながら家に帰ったあの日のことを、今でもよく覚えています。
でも、自宅に連れて帰るとまず母が安堵した顔で迎えてくれました。赤ちゃんを抱っこしたり、触ったり…本当は、一緒に退院できれば1ヶ月そんな生活をしていただろうに、申し訳なかったな、と思いました。
小学生組は、バラバラに帰ってきて、赤ちゃんを見つけると駆け寄ってきました。早速「手洗って!」と注意しないとランドセルを背負ったまま抱っこしようとしている子もいました。笑
やっとみんなが揃った。って感じました。
あの1ヶ月があったから
退院後の受診は「1ヶ月後でいい」と言われました。1ヶ月後でいいの?と不安になりつつ、「2〜3時間ごとに授乳(搾乳した母乳でもOK)して、低血糖に注意してください」との指示。低血糖ってどんな感じよ?家で血糖を測るわけでもないし…と思いましたが、「体重が増えてきていれば、授乳時間を空けなければ心配はほとんどない」という言葉を信じることにしました。
授乳だけでは、今まで赤ちゃんに触れ合えなかった子どもたちの圧が強過ぎて、搾乳した母乳を哺乳瓶に入れてみんなで交代しながら授乳しました。そして、赤ちゃんは元気に育ってくれています。あの1ヶ月があったから、今があるんだな、と思います。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。妊活から出産、入院、そして退院まで続いたこのシリーズは、これでおしまいです。今まさに不安の中にいる方に、どこか一つでも「私だけじゃない」と思える場所があったなら嬉しいです。
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